シルビアというと、日産の代表的なスポーツカーとして知られていますが、その歴史は意外にも古く、1955年に初代モデルが発売されました。その後、1975年に2代目、1979年に3代目、1983年に4代目とモデルチェンジを重ねてきましたが、今回の話題は4代目のS12型に関するものです。
4代目シルビアは、先代のS110型から引き続き、直列4気筒のZ型エンジンと、直列4気筒DOHCのFJ型エンジンを搭載していました。しかし、当時の日産は、マツダに対抗するために、ロータリーエンジンの開発にも力を入れていました。
ロータリーエンジンとは、ピストンやシリンダーを持たない、回転する三角形のローターと、それを囲むハウジングの間で燃焼を行うエンジンです。ロータリーエンジンの特徴は、小型で軽量ながら高出力を発揮できることや、振動が少なくスムーズな回転をすることです。しかし、燃費が悪いことや、オイル消費量が多いこと、シールの摩耗による耐久性の低さなど、欠点もあります。
日産は、1970年代からロータリーエンジンの開発に着手し、1972年の東京モーターショーには、サニーにロータリーエンジンを搭載したコンセプトカーを出展しました。このエンジンは、マツダのライセンスを受けて開発されたもので、排気量は654cc×2ローターで、最高出力は120psでした。
このロータリーエンジン搭載車として白羽の矢が立ったのが2代目シルビアで、サニー・エクセレントのフロアパンに2ドアクーペボディを架装し、ロータリーエンジンを搭載してテストが進められたとも伝えられています。しかし、1973年のオイルショックの影響で、日産は省燃費ではないロータリーエンジンの開発を凍結しました。シルビアは、オーソドックスなレシプロエンジンを搭載して発売され、その後、日産によるロータリーエンジンの開発は復活することはありませんでした。
しかし、日産はロータリーエンジンに対する興味を完全に失っていたわけではありませんでした。1980年代に入ると、日産は新たに直列4気筒SOHCのCA型エンジンを開発しましたが、このエンジンは、ロータリーエンジンに対応できるように設計されていました。つまり、CA型エンジンのシリンダーヘッドを外して、ロータリーエンジンのユニットを取り付けることができるようになっていたのです。
このCA型エンジンは、1983年に発売された4代目シルビアに搭載されましたが、その中には、ロータリーエンジンを搭載する予定だったモデルも存在していました。そのモデルは、シルビア S12 ロータリーと呼ばれ、排気量は654cc×2ローターで、最高出力は140ps、最大トルクは18.5kgmというスペックでした。このモデルは、1984年に発売される予定で、日産のカタログにも掲載されていました。
しかし、このシルビア S12 ロータリーは、結局発売されることはありませんでした。発売の直前になって、日産の経営陣がロータリーエンジンの販売に難色を示し、開発を中止するという決断を下したからです。理由は、ロータリーエンジンの燃費や耐久性の問題や、マツダとのライセンス料の交渉が難航したことなどが挙げられます。
こうして、シルビア S12 ロータリーは、発売目前でお蔵入りになった幻のモデルとなりました。その後、日産はロータリーエンジンの開発から完全に撤退し、シルビアは5代目以降、直列4気筒DOHCのSR型エンジンを搭載することになりました。
シルビア S12 ロータリーは、日産のスポーツカーとしての魅力と、ロータリーエンジンとしての個性を兼ね備えた、貴重な存在でした。その歴史と活躍を振り返ってみると、シルビアのファンだけでなく、ロータリーエンジンのファンにも興味深い話題になるのではないでしょうか。
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<ツイッターの反応>
(出典 @maiku_sr20)
DJヒロロ
@maiku_sr20シルビアってS12からS1999まであるの??
(出典 @NZS129W)
ヤシマ
@NZS129W返信先:@revlimit787 名称は似てますが、グループB参戦の為のホモロゲを取る目的で作られた車ですからね ロードバージョンも少数関係者に販売されましたが、明確な記録が無かったと見た記憶があります シルビア/ガゼールはS12まで作られました
(出典 @hahahihopes)
旧車マニア情報まとめ
@hahahihopesシルビア S12のレストアに挑戦するなら、このポイントに注意! kyuusyamania.club/archives/25693…
(出典 @mofuitachi0217)
鼬乃大将(イタチのたいしょう)
@mofuitachi0217あぁ~誰か…S12シルビアの ハッチバック持ってないかな… 出来れば…前期が欲しい 距離とか状態とか気にしないから
(出典 @aikoukai1)
快調
@aikoukai1返信先:@OaKQI7DuPGPPZNb このボディラインだと、S12シルビアも惚れ惚れですけどね。
(出典 @hahahihopes)
旧車マニア情報まとめ
@hahahihopes日産「シルビア(S12型)」4代目デビュー。“白い稲妻”と呼ばれたトップモデルが復活! kyuusyamania.club/archives/25653…
(出典 @hatsukaichiyuji)
祐治
@hatsukaichiyuji次の他3品の売却した自動車模型は、いずれもアオシマのS12シルビアHBのプラモデルと同メーカーのH100系ハイエースのプラモデルと同々メーカーのH200系ハイエースのプラモデルを同じく #アルパーク北棟 2階の #駿河屋 へ売りました。(Xの画像添付は4枚までしか入らないのですいません) pic.twitter.com/4ZdkBDCiM9
(出典 @GTR34_jdm)
MeLTy-Kiss
@GTR34_jdmS12シルビア知ってる人いるの
(出典 @230cedric)
もよた
@230cedricグループAのS12シルビアはアクシデントで廃車になってたのか…
(出典 @kara_yomogi)
蓬ガレージ(ワクチン4回済)
@kara_yomogiS12シルビア、85年は各メディア編集者と辻本征一郞さんが組んで参戦、86年はキヤノンシルビアに。87年もオートテックカラーで登場…する筈だった。(AS87/05/15) pic.twitter.com/q1hbdklN4s
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